何故…

航空のしごと

イレギュラー…どんな仕事をしていても発生しますよね

もちろん、航空の世界でも日常茶飯事です

当時グランドスタッフだった私は、その日、早番のため配車で会社に出勤していました

通常であれば、出社時に駐機しているジャンボ(B747…最近は日本ではあまり見られなくなりましたね)は1機だけ

しかしその日に限って、何故か2機停まっていたのです

「まだ寝ぼけてるかな??」なんて思いながらオフィスに到着すると、そこは戦場のような慌ただしさでした

なんと、ロサンゼルス発・台北行きの便が、ダイバート(目的地の空港でなく、代替空港に着陸すること)してきていたのです

羽田発の定期便に加えて、本来ここにいるはずのないロサンゼルス発の便まで…

朝から大騒ぎです

そんな中、その外資系航空会社のレップさん(現地の航空会社職員)が取った作戦が凄まじいものでした

「ロサンゼルス発のファーストクラスとビジネスクラスのお客様は羽田発の定期便に振り替え、エコノミークラスは順次対応する」

もちろん、グランドスタッフに「えぇぇ~」なんて言っている余裕はありません

せっせと羽田発の便へ振替手続きを行い、まずは無事に出発させました

当時は今のようなEチケットではなく紙の航空券だったので、一枚一枚再発券して集札(回収)するのも一苦労でした

しかし、これで終わりではありません

そうです、問題のエコノミークラスのお客様が残っています

羽田発の対応に追われている最中、私が担当していた航空会社の支店長が、なんと「レスキューフライト(救援便)」をリクエストしたというのです

「昼頃に救援便が到着するから、ロサンゼルス便のエコノミークラスのお客様をそれに乗せて台北へ運ぶから、その準備をしてくれ」との指示が飛びました

そして、その時のコントローラー(当時はDC:ディパーチャーコントローラー、今はFC:フライトコントローラーと言ったりもします)に、なんと私が指名されてしまったのです

ここで大きな問題が…機材の仕様が全く違ったのです

ロサンゼルスから飛んできた機材はB747-400、一方救援便として飛んでくることになったのはMD-11(懐かしい方もいるのかな??)でした

もちろん座席配列の仕様も違い、B747-400は3-4-3の座席配列、MD-11は2-5-2の座席配列でした

さらに、急遽手配されたMD-11は本来ビジネスクラスとエコノミークラスの2クラス仕様でしたが、今回は全員を救済するため、全席をエコノミークラスとして扱う「モノクラス」での運航となりました

またロサンゼルスからの便には、アジア圏発着の便では”あるある”なのですが、車いすを使用されるお客様が20名弱もいらっしゃいました

車いすのお客様を元ビジネスクラスの広い座席にアサインするなどの調整はしたものの、残りのお客様を元の便と同じような座席位置に配置するのは、時間的にもはほぼ不可能です

そこで私は周囲と調整をした結果、フリーボーディング(早い話が自由席)にすることにしました

今思えば、あり得ない話なのですが(苦笑)

航空機には「ウエイト&バランス(重量と重心位置)」の計算が不可欠なのですが、空席が4~5席しか出ない満席近い状態だったため、誰がどこに座ってもバランスには大きな影響を及ぼさないと判断した結果でした

ただ、搭乗を開始する時に一つだけルールを決めました

それは「今まで持っていた搭乗券を、救援便の新しい搭乗券と絶対に引き換えること」

いくら自由席とはいえ、人数把握だけは完璧にする必要があったからです(1人でも人数がずれてたら飛行機は出発できません)

案の定、搭乗口は「我先にと」集まったお客様でごった返しましたが、なんとかすべてのお客様を無事に搭乗させ、送り出すことができました

残務処理をしていた時のこと、先ほどの支店長から「お前がいてよかった」と言ってもらえた時の嬉しさは、今でもよく覚えています

ただ…お昼ご飯も食べずに頑張ったのに、定時内にすべてが終わってしまいました

通常、このようなイレギュラーは残業になることが多く「残業代で美味しい思いができるぞ!」とひそかに期待して頑張っていた動機はここだけの秘密です(笑)

航空業界でのイレギュラーエピソードは他にもたくさんあるので、今回はここまでにして、またの機会にUpしようと思います

では、また次回!!

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