羽田空港へのダイバートと急病人

航空のしごと

みなさん、こんにちは

これまでも空港でのグランドスタッフ時代の出来事を少しずつお話ししてきましたが、今回は「急病人」の対応をした時のエピソードを紹介します

この仕事を始めて、急病人のお客様を担当したのは何度もあったのですが、そのなかでも思わず「えぇ~っ!!」って思ったときのお話しです

突然やってきたダイバート便

私が羽田空港で働いていた当時、成田空港は滑走路はまだ1本しかありませんでした(※現在は2本あり、3本目の計画も進行中です)

成田空港は春先になると強い横風が吹く時があり、着陸も困難な状況に陥ることがよくあります

その日も強い横風の影響で、成田に向かっていた多くの航空機が、目的地を変更して羽田空港へ「ダイバート(目的地外の空港へ向かうこと)」してきました

次から次への羽田に国際線がやってくるため、事務所の中はお祭り騒ぎ

「ダイバートしてきた航空機へ書類を受け取りに向かい、その書類を羽田用に再作成してまた航空機へ届ける」

そんな目まぐるしい作業を何度も繰り返していた時、ある1機が到着しました

それはバンコク発 成田経由 ロサンゼルス行きの便でした

まさかの緊急事態

通常、ダイバート便の対応は、書類の再作成や必要に応じた給油をひたすら繰り返す「作業」がメインになります

本来の目的地ではない空港で、お客様を飛行機から降ろすことは基本的にはありません

しかし、この時ばかりは違いました

なんと機内で体調不良のお客様が出てしまったのです

人道的な観点から、急遽そのお客様を降ろすことになりました

ただでさえダイバートの対応と通常便の対対応が重なり、てんやわんやだった国際線事務所は、ここからさらにギアが上がっていきました

何かがあってもいけないので、一刻も早く病院へ向かっていただかなければいけません

そして、そんな限られた時間の中での失敗が許されない複雑な調整をすることになります(もちろん、腕の見せ所でもあるのですが…)

1.航空会社への連絡:
  当該の航空会社に状況を説明し、降機の許可を得る
2.CIQ(C:税関、I:入国管理局、Q:検疫)への連絡:
  本来入国する予定の無い羽田でお客様を降ろすため、降機の許可と対応の依頼をする
3. 救急車の手配:
  状況を説明し、ターミナル前(制限区域外)で待機してもらうように手配する

これらをすべてを同時進行でこなしていきます

またこれらだけではなく、お預けのお荷物があるので本来であるならば、ここで取り卸しの調整をします

ただ、この時は4名のご家族(バンコクから成田への帰国途中)だったのですが、お話し合いの結果、荷物の取り卸しはせずにそのまま成田空港で受け取っていただくこととなりました

実はこの時、体調を崩されたのはお子様でした

最終的に、お母さまと体調を崩されたお子様の2名が羽田空港で降機をされ、お父様ともう一人のお子様の2名はそのまま成田空港まで乗っていかれることとなったのです

「なぜ家族全員で降りないの!?」と思われるかもしれません

ですが、このご家族は車を成田空港に停めていらっしゃったそうで、その後の移動などを考慮したご家族のご判断でした

救急車へお客様をご案内し、ひと安心…といきたいところですが、業務はまだ終わりません

今度は、2名のお客様が降りた後の「最新の搭乗者名簿」を急いで作り直し、CIQへ再提出

当該便へ搭載をし直して、ようやく一件落着となりました(ホントはもっと細かい作業があるのですが…)

最後に…

来るはずのなかった場所で起きた、突然の出来事

僅かな時間の中での瞬時の判断を調整ーーー

日頃は、「穏やかに丁寧に」が基本ですが、緊急事態が起こると裏側ではこんな激しいドタバタ劇が繰り広げられています

グランドスタッフのそんな一面も知っていただけたらうれしいです

ちなみに、体調を崩されたお子様は、その後無事に回復されたそうで本当に安心しました

ということで、今日はここまで

また次回!!

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